- 自意識は
- どこまでも深く
- 果てしなく
- 満足させられるのは
- 止められる自身だけ
今回はこの本の感想です。
キャラクター占いも戦国時代の模様
今回取り上げたのは初めて見たのがたぶん雑誌「家庭画報」だった
と思うのですが、そこで見た「王妃占い」です。「家庭画報」と
「王妃占い」だなんて、なんて取り合わせがいいんだろうと思った
のが最初の感想でした。その時はまだ王妃しかなくて、王様はいま
せんでした。「王妃か~、いくとこまでいくんだなぁ占いって」っ
て感想を持ちましたし、「王妃かぁ、自分を投影しやすいよなぁ」
とも思いました。なんか、いいところ攻めてるなぁステラ薫子さん
って思ったのですよね。王妃さんて本当自分を投影するのに神や天
使ほどは遠くない、でも庶民よりはいい気分で占ってもらえそうっ
て思えるんじゃないかって私は感じます。占いって答えが欲しいわ
けじゃなく、自分の話を聞いてもらいたいという欲求があるってよ
く言われていますが、まさにそういったニーズに答える占いの一つ
ではないかと思うのです。しかしキャラクター占いって色々ありま
すね。皆さんよく思いつくなぁって個人的に思います。あまりに色
々あるので、人気なのもよく分かりますし、それぞれ個性的です。
占い自身が群雄割拠のようにキャラクター占いもそれに追随してい
るようです。
12の姫があなたを導く
さてその姫様の内容は白雪姫やかぐや姫といったおとぎ話の姫
から楊貴妃やクレオパトラ等歴史上の姫、そしてイシスやアテナ
のように神話界の姫まで様々です。ちなみに私は卑弥呼でした。
卑弥呼の欄を読んでいると、な~んとなく私の生まれた星座さそ
り座の欄を読んでるような感じにもなります。実際生まれた日に
ちで決まってしまうので、似た部分もあるのかもしれません。12
の姫のうちもっとも探求心が高くて能力の高い姫のようです。好
きなものにしか興味ないとか気晴らしは苦手とか「確かになぁ~」
と思う所も多々ありました。しかもこの本は前回は12の姫のみで
構成されていた本だったのですが、きっと好評だったのでしょう
相性も占える事になっております。王妃の相手といえば王様しか
いません。王様も豪華です。日本武尊やアラジン、諸葛孔明や光
源氏までいますよ。歴史上の人物から書物の偉人まで幅広く取り
揃えています。現世のつまらない、世知辛いものものをふと横に
置いて自分自身を見直したり、気になる相手を偉人にして相性を
見るなどしてしばし気高い世界にどっぷり浸かってみる、そんな
時間の使い方もアリなのかもしれません。
高貴な人物になって何を目指すのか
結局この本は占いという部分ももちろんあるのですが、自分を
読んでる間だけでも別の人間に意識を転化させる効果があるの
ではないかと感じるのです。自分自身を占うだけではなく、他
の誰かになって自分以外の意識で物を見たい、そういう願望を
叶えてくれる本だと個人的には思います。世の中はますます生
きづらくなってきています。占いに手をつける理由は人それぞ
れです。なかには自分自身の人生があまりにつらいのでいっそ
他の人の人生を歩めれば、と望む人も少なからずいるかと思い
ます。しかし、世界はそう優しくなく与えられた試練をくぐる
ことでしか、生きることを許さない一面を持っています。そし
てそれをつらいと普段から思っている人たちも大勢いるでしょ
う。そんな人達にほんの一瞬ですが、読んでる人達に読んでる
間だけは違う人生を与えてくれる、特にこの王妃&王様占いは
読む人達が住む世界とか明らかに違う高貴な香りのする異質の
世界の住人ばかりです。そこに人々は占い以外の何かを求めて
いるのかもしれないなと私は感じました。生きることはそれだ
けで大変なことです。言いたくても言えない、好きな人生を自
分は歩んでこれてない、そういった不満をも抱え込む不思議な
魅力のある一冊に仕上がっているなと思いました。だから王妃
占いの本だけでなく、今回の王妃&王様占いの本の出版に繋が
ったのでしょう。それだけ占いに求めてられているものが自分
自身のことの不安や将来以外の現状自体に興味がフォーカスさ
れていることがわかる一冊になっているなと感じたしだいであ
ります。占い自体は太古の昔から存在してますが占いの抱える
悩みや迷いは昔以上に実に広範囲になっていると改めて感じた
とともに、人の自意識の奥深さに考えるしだいであります。
翠 あんず